私は、過去に火事を経験したことが1度だけあります。
私が小学生の頃、実家の裏山から火が出て燃え広がりました。火の気が無い場所からの火災で、タバコが原因ではないか、とのことでした。幸い実家の建物へは燃え広がりませんでした。しかし、子供ながらにその時の景色と恐怖はいまだに鮮明に覚えています。
消防庁 令和2年版消防白書によると、令和元年中の建物火災による死者は1197人で、その内83.5%が一般住宅や共同住宅などの住宅で発生した火災によるものだということです。建物火災のほとんどは、ビルとかではなく、住宅での火災が多い、ということが言えます。
ちなみに、雑居ビルのように不特定多数が出入りするような建物になると、3.5%と比率としてはかなり低くなります。
火災の発生数そのものの数が住宅の方が多いことや、特殊な建物になると、消防の基準がより厳しくなり、消防設備などが備えられていることで、火災死者数が抑えられているのではないかと考えられます。
建物火災の死因別状況を見てみると、
1位 一酸化炭素中毒・窒息(38.5%)
2位 火傷 (34.2%)
3位 自殺 (9.0%)
と、僅差であるもの一酸化炭素中毒・窒息が1位であり、火災の炎そのものより、煙を原因とした死因が多いことがわかります。
住宅火災による死者の49.6%が「逃げ遅れ」が原因で、着衣着火は5.2%、出火後再進入が1.6%と、圧倒的に「逃げ遅れ」が原因で亡くなる方が多いいうことです。これが、火事のホントの恐ろしさです。
2階建ての自宅で、1階から火と煙が襲ってくる中で、あなたは逃げ切る自信はありますか?
では、どうすれば、建物での火災事故を防ぐことが出来るのでしょうか。
先ずは「予防」です。
消防白書によると、令和元年中の建物火災での出火原因は、コンロ、タバコ、放火、電気機器、配線器具、ストーブの順で多く、やはり火の元が直接火災の原因となっていることがわかります。
喫煙や電気器具・配線器具周り、といった箇所が火災の原因となりやすい為、特に乾燥しやすい冬場などはいつもより注意が必要です。
ホコリまみれになっている配線周りを綺麗に掃除したりと、ちょっとした工夫が、火災予防につながります。
次に、重要なことは消防設備の設置です。火災報知器や消化器などが挙げられます。ただし、建築時期が古い建物などは、そういった設備が無いものも多いです。「火災保険に入っているから大丈夫」ではなく、せめて消化器くらいは置いておきませんか?
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